夏期講習会とは

「学問のあるところに技術は育つ、技術のあるところに産業は発展する、  
産業は学問の道場である」 

東北大学金属材料研究所初代所長の本多光太郎博士はこのように言い、産業界で研究活動・成果が使われること、活かされることを非常に重要視しました。大学の社会、産業への貢献-産学連携、産官学連携-が謳われ始めて久しく、全国的にもはや当たり前になってきているところですが、本所においては創立(1916年)以来、本多スピリッツの下で、研究活動の産業貢献を自明のものとして活動して参りました。

その「産業は学問の道場」を体現するために、遡ること100余年、大正11年(1922年)7月に記念するべき『第1回金研夏期講習会』が創設されました。以来、太平洋戦争などで一時途切れながらも日本のものづくりの源泉として、脈々と続いてきました。第1回講習会においては、実施期間は7月下旬の2週間で、状態図・物理冶金測定法などの基礎的方面から鉄鋼・軽合金などの性質、熱処理に至る講義に加え、温度測定・鋼の焼入れ焼戻し・硬さ測定・顕微鏡試験法などの実習を行い、各方面から100余名の受講生にお越しいただいたと、今に伝わっています。

現在、その実施期間こそ2日程度とコンパクトになったものの、講義・実習を行う当時のスタイルは堅持し、さらに宮城県仙台市にある金研本体から飛び出して、「材料開発の基礎から最近の研究動向まで」をモットーに、関係機関のバックアップを受け、金研講師陣が様々な地域で出張講義も行うようになっています。ここ最近の講習会実施内容については、『アーカイブ』にプログラムや、各年度の講義・実習風景などを掲載しております。そちらをご覧いただければ、講習会の雰囲気を僅かながらも感じていただけるのでは無いかと思います。

繰り返しになりますが、「学問のあるところに技術は育つ、技術のあるところに産業は発展する、産業は学問の道場である」、この言葉を胸に刻み、よりよい産学連携/産官学連携、よりよい『金研夏期講習会』を目指して参ります。 皆様、金研講師陣との熱い夏を過ごしましょう。
どうぞよろしくお願い申し上げます。